石室山林照寺(小佐手伏木) 浄土真宗本願寺派
    本 尊  阿弥陀如来
      開 基  釈 了圓(りょうえん)

 平安時代において天台宗、真言宗は、厳しい戒律と修験、加持祈祷により支えられ、修験者は、好んで山岳、河沼などの難所を選んで修業しました。しかし、密教の秘法である加持祈痔では解決できない極楽往生の教義経文の出現により、一挙に衰勢への道をたどりだしました。
 この期に前後して、時代の要求によって親鸞聖人が元仁元年(1224)浄土真宗を開創しています。親鸞聖人は庶民に親しまれ、禅の自力本願に対して他力本願を教義とし、疾風の如くその流布につとめました。
 浄土真宗は十五世紀の中頃蓮如上人により東、西両本願寺に分れ、東本願寺派を大谷派、西本願寺派を本願寺派と称しています。
 当寺は、平安期から真言宗石室山林照院と称し、小佐手の城主数代の祈願所でありましたが、今を去る約四百八十年の昔室町時代の末期、清和源氏甲府古城数代の兄弟である武田左近太夫信照事了圓が、本願寺十代証如上人の時 享禄二年(1529)浄土真宗に改宗し、林照院を林照寺と改めました。これにより了圓を中興開基としています。
 降って天正三年(1575)織田信長兵火の際、寺統が武田氏近縁の故を以て寺中残らず追放され、相州鎌倉(今の戸塚)に退居せしにより、寺伝等不詳となっています。
 元和年中(1615~1623)近藤氏事了圓が再興し、除地千二百五十坪。本堂七間四面、庫裡五間・十間(共に宝永六年1709年建立)その後鐘楼門の建立あって寺の規模を完成しています。

昭和初期本堂
昭和初期鐘楼・山門
昭和初期庫裏